がんの治療とリハビリテーションについて

更新日 2026年09月28日

がんのリハビリテーション医療は、がんやがんの治療による体への影響に対する回復力を高め、残っている体の能力を維持・向上させるために受ける医療です。これまでリハビリテーション医療は、脳疾患などに対して行われてきましたが、がん治療の中でも重要な役割を持つようになってきています。リハビリテーション医療は、がんと診断された直後から受けることができます。また、緩和ケアの一環として、心と体のさまざまなつらさに対処する目的でも行われます。

がんとリハビリテーション医療

がんになると、がんそのものによる痛みや食欲低下、息苦しさ、だるさによって今まで通り動けなくなったり、手術や薬物療法、放射線治療などを受けることによって身体機能が落ちたり、損なわれたりすることがあります(表1)。
このような状況では、日常生活に支障を来し、家事や仕事、学業など社会生活への復帰が難しくなり、生活の質が著しく低下することがあります。しかし、がんになっても、日常生活を維持し、本人が望むその人らしい生活を送ることは可能です。そのために欠かせないのがリハビリテーション医療です。がんと診断された直後はさまざまな不安もある時期ですが、主治医と相談しながらリハビリテーション医療を受けることが勧められます。いつの時期からでも始められますが、なるべく早い時期から開始することが勧められています。


表1 がんのリハビリテーション医療の対象と種類

表1_がんのリハビリテーション医療の対象と種類

リハビリテーション医療を受ける時期と病期別の目的

通常のリハビリテーション医療は、体に何らかの障害が起こってから受けるのが一般的です。一方、がんのリハビリテーション医療では、がんと診断された後、治療による合併症や後遺症などを予防する目的で、治療が始まる前、あるいは治療を受けた直後から行われることがあります。
がんのリハビリテーション医療は、治療のどのような時期においても、どのような病状であっても、受けることができます。がんの治療の時期に応じて、リハビリテーション医療の目的や役割が異なります(図1)。


図1 がんのリハビリテーション医療の病期別の目的

図1_がんのリハビリテーション医療の病期別の目的

リハビリテーション医療を受けられる医療機関

多くのがん診療連携拠点病院では、がんのリハビリテーション医療について十分な知識と経験を持つスタッフがいる、リハビリテーション室や必要な機器があるなどの基準を満たしており、適切なリハビリテーション医療を受けることができます。また、それ以外の病院でも、リハビリテーション医療を受けることができる場合があります。
自分が暮らしている地域のがん診療連携拠点病院が、どのようなリハビリテーション医療を行っているか知りたい場合は、がん診療連携拠点病院にあるがん相談支援センターに問い合わせてみるのもよいでしょう。

家族や周りの人に知っておいてほしいこと

適切ながんのリハビリテーション医療を受けるためには、リハビリテーション医療に対する家族や周りの人の正しい理解が大切です。がんの治療を受ける際には、治療による体への影響にはどのようなものがあるか、それに対してどのような対応をしてもらえるのかについて、担当医や看護師に尋ねてください。また、リハビリテーション医療を受けることができるかについて、担当医に相談してみましょう。
家族や周りの人が、リハビリテーション医療について正しく理解することは、患者本人の支援だけではなく、家族や周りの人の負担軽減にもつながります。看護師やリハビリテーションスタッフから適切な介護の方法を教わったり、患者本人が動きやすいように家の中に手すりをつけるなど生活環境を整備したりすることで、自宅で看病しやすくなることにつながります。

(出典:国⽴がん研究センターがん情報サービス「がんとリハビリテーション医療」)