更新日 2026年03月05日
がんについて知っておきたいこと
誰でもなる可能性がある
現在、日本人の2人に1人は一生のうちに何らかのがんになるといわれています。がんは、すべての人にとって身近な病気です。しかし、ひと口にがんといっても、その病状や経過は、がんの種類やがんが見つかったときの状態などによって異なり、人によってさまざまです。
完全に防げるわけではないが、なりにくくすることはできる
生活習慣や感染など、さまざまな要因でがんになると考えられています。現在のところ、日本人を対象とした研究では、喫煙(受動喫煙を含む)、過度の飲酒、塩分や塩辛い食品をとりすぎる・野菜や果物をとらない・熱すぎる飲み物や食べ物をとるなどの食生活、太りすぎ、痩せすぎ、運動不足、ウイルスや細菌への感染ががんの要因になるとされています。
がんを完全に防ぐことはできません。しかし、禁煙すること、飲酒をひかえること、バランスのよい食事をとること、活発に身体を動かすこと、適正な体形を維持することといった生活習慣の見直しや、がんの原因となることが分かっているウイルスや細菌への対策などによって、がんに「なりにくくする」ことはできます。
がん(悪性腫瘍)と良性腫瘍
細胞の中にある遺伝子は、それぞれ決められた役割をもって働いています。その役割の1つが、細胞の増殖とその抑制です。正常な細胞は、体や周囲の状態に合わせて遺伝子が適切に働くことにより、増えたり、増えることをやめたりしています。
正常な細胞が分裂するときなどに、偶然、遺伝子に「傷」が生じることがあります。また、この傷は、喫煙、ウイルスや細菌などの感染、さまざまな化学物質、放射線などの外的要因によって生じることもあります。この傷のことを遺伝子の「変異」といいます。さまざまな原因で生じた遺伝子の変異によって、細胞が無秩序に増え続けるようになることがあり、このようにしてできた細胞のかたまりを「腫瘍」といいます。
腫瘍は、腫瘍をかたちづくる細胞の増え方や広がり方の違いから、大きく悪性腫瘍と良性腫瘍に分けられます。悪性腫瘍は、細胞が無秩序に増えながら周囲にしみ込むように広がったり(浸潤(しんじゅん))、血管などを介して体のあちこちに飛び火して新しいかたまりを作ったり(転移)する腫瘍です。放っておくと全身に広がり、体にさまざまな悪い影響をもたらすため、ほとんどの場合、治療が必要になります。悪性腫瘍のことを「がん」ともいいます。
一方、浸潤や転移をすることがなく、周りの組織を押しのけるようにしてゆっくりと大きくなる腫瘍を良性腫瘍といいます。良性腫瘍には、生涯にわたって症状がでないものや、生命に影響を及ぼさないものもあります。このため、腫瘍のできた場所や大きさ、種類などを総合的に判断し、必要に応じて手術(外科治療)を行います。多くの場合、完全に取りきることができれば再発することはありません。
がんの発生と進行
多くのがんは、以下の①~⑤の段階を経て発生、進行することが分かっています。
① 正常な組織
② 正常な組織の中に、遺伝子が傷ついた(変異した)異常な細胞ができる
③ 異常な細胞の中で複数の遺伝子の変異が蓄積して増殖が止まらなくなり、腫瘍を作る
④ 浸潤:異常な細胞が、基底膜(上皮と間質の境目にある膜)を越えて広がる
⑤ 転移:血管などに入り込んで全身に広がる
※上皮に発生したがんがまだ上皮内にとどまっていて、基底膜を越えていないとき、これを上皮内がんといいます。がん細胞が、血管などが多い間質に達していないため、転移していることはほとんどありません。
がん細胞は、細胞の遺伝子に変異が生じることによって発生しますが、正常な細胞ががん細胞になり、浸潤、転移をするようになるまでには、ほとんどの場合、複数の遺伝子変異が必要です(多段階発がん)。これらの遺伝子変異は一度に生じるわけではなく、時間をかけて徐々に蓄積していくことが分かっています。高齢になるとがんになりやすくなるのはこのためと考えられます。
(出典:国⽴がん研究センターがん情報サービス「がんという病気について」)
